法人クラウドストレージは、製品比較の前に要件を決めると選定が速くなります。人数と容量だけでなく、扱う情報、共有先、認証、ログ、復元、移行、契約終了時までを15項目で整理します。
要件定義で決める15項目
| 区分 | 決める項目 | 確認例 |
|---|---|---|
| 利用範囲 | 1. 対象業務 | 全社文書、部門共有、取引先連携、バックアップ |
| 2. 対象利用者 | 社員、派遣、業務委託、取引先、退職者対応 | |
| 3. 対象データ | 顧客・契約・人事・設計・動画などの重要度 | |
| 4. 利用端末 | Windows、Mac、スマートフォン、共有PC | |
| 容量・性能 | 5. 現在容量 | 重複と不要データを除いた移行対象量 |
| 6. 増加率 | 3〜5年後の必要容量と予備率 | |
| 7. ファイル条件 | 最大サイズ、件数、種類、更新頻度、回線速度 | |
| 安全・管理 | 8. 認証 | 二段階認証、ID管理、退職・異動時の停止 |
| 9. 権限 | 部署・役割・プロジェクト・管理者の分離 | |
| 10. 社外共有 | パスワード、期限、承認、共有禁止データ | |
| 11. ログ | 対象操作、保存期間、確認担当、監査方法 | |
| 12. 復元 | 削除・上書き・障害時に戻せる範囲と時間 | |
| 契約・移行 | 13. サポート | 受付時間、連絡手段、障害情報、管理者支援 |
| 14. 移行条件 | 停止可能時間、パイロット、差分同期、戻し方 | |
| 15. 終了条件 | データ出力、消去、契約終了、他社への再移行 |
要件は「必須・希望・不要」に分ける
すべてを必須にすると高額なプランしか残らず、逆に価格だけで決めると運用開始後に不足が見つかります。各項目へ「必須」「できれば必要」「不要」を付け、必須項目を満たさない候補だけを除外します。
利用人数は現在だけで決めない:社員の増減、取引先への一時アカウント、複数部署への展開を含めて2〜3年後を見積もります。人数課金と定額制では、増員時の予算変動が異なります。
扱う情報の重要度を先に分類する
IPAのクラウドサービス安全利用資料は、何に使い、どの情報を扱うか、事業者の信頼性、利用者管理、責任者、セキュリティ対策、保存地域などを確認項目として示しています。公開資料、社内限定、機密、個人情報などに分け、保存・共有できる範囲を決めます。
固定IPや接続元制限が要件にある場合は、法人向け固定IP VPN比較も参照してください。
候補サービスへ同じ質問をする
- 必要人数・容量での通常料金と初期費用
- 1ファイル上限と禁止される形式
- 二段階認証・IP制限・操作ログの対応プラン
- 共有リンクの期限・パスワード・停止方法
- 削除・上書き時の保持期間と復元手順
- 契約終了時のデータ出力と消去条件
よくある質問
要件定義は誰が参加すべきですか?
情報システム担当だけでなく、利用部署、情報管理・セキュリティ責任者、契約・経理担当を含めます。小規模企業では兼務でも構いませんが、利用者と承認者の両方が参加します。
無料トライアル前にどこまで決めますか?
必須機能、代表データ、試す利用者、合否基準まで決めます。試用中に操作感だけを確認するのではなく、権限・共有・同期・復元・ログを実際に試します。
参考資料
2026年10月1日時点の公式資料を参照した一般的な要件整理です。業界規制、契約、個人情報の扱いは自社の専門担当者へ確認してください。